カワサキアリスは、川崎出身/在住の若手俳優・スタッフによってつくられた劇団です。地域と積極的に交流し、その情景を物語に織り込んで創る等身大のオリジナル現代劇、および、古典戯曲や文学作品を音楽に乗せて祝祭ムードのある音楽劇に仕立てる「祝祭音楽劇」を二本柱として創作しています。どちらの作品も、大人と子供が一緒に楽しめる作品、という視点でつくっており、観た後で大人と子供の間に共通の芸術に関する会話が生まれるような雰囲気を目指しています。
『走れメロス』は、そのうち後者の祝祭音楽劇のカテゴリに属する芝居です。中学校の教科書にも載っている太宰治の不朽の名作が、俳優の身体と声、音楽に彩られて飛び出す絵本のように動き出します。メロスが走る村からシラクスまでの距離は、十里あまり。本当は走らなくても十分に間に合う距離なのです。それでは、メロスが走る本当の理由とは何なのか…。大人でも、かつて読んだ名作に新たな発見をすること請け合いです。
祝祭音楽劇『走れメロス』
作/太宰治 演出/Ash
出演/若林孝亮 渡辺康祐 金子昌樹 下村真梨奈 佐藤花梨